2013年3月13日水曜日

基礎練習#2 休符を鍛える①

 音符をそのまま叩くのと同じだけ、休符をきちんと表現できるようになる事が重要です。今回は休符のトレーニングになる練習パターンを提示します。まずは譜面をどうぞ。



 いきなり難易度が高いと感じるかもしれませんが、出来ない事だけ効率よく練習する事が上達への早道です。根気良く取り組んでみましょう。

 メトロノームをテンポ90で鳴らしてみましょう。

 ①は4分休符。1・2・3・4の1と3が休符です。1と3がメトロノームだけの音、2と4で叩いた音とメトロノームが同時に鳴ればOKです。
 休むというより、「休符を叩く」感覚で練習しましょう。手を動かすか否かでなく、いかにイメージするかです。余談ながら、外国人ミュージシャンと共演した際、あまりに休符がくっきりと形になって表現されていて驚いた経験があります。
 手順は、左右交互に。右スタート、左スタート両方やってみましょう。

 ②は8分休符を頭に感じ、裏に叩く難しい練習です。いわゆる「裏拍」です。1・2・3・4をメトロノームに鳴らしてもらい、ちょうど半分のタイミングで叩きます。この時肝心なのは、メトロノームの1・2・3・4を聴きながら、
                   「1・と・2・と・3・と・4・と

と、全ての8分音符を体で感じる事です(下の音符)。どうしても叩く位置がわからない方は、メトロノームを8分音符で鳴らしてみて、慣れたら4分音符に戻しましょう。テンポをゆっくりにしてみてもいいです。①と同様左右交互、右スタート左スタート両方やってみましょう。
 テンポ90でほぼ正確に叩けたら、メトロノームの設定テンポをどんどん早くして限界までやってみましょう。この8分裏打ち、ものすごーく休符の訓練になり、かつ実践にも使えます。

 実は世の中の「行進曲」のスネア・パターンの多くがこれです。例えばテンポ170くらいだと、「クシコスの郵便馬車」。運動会でおなじみのあの曲ですね。はい、この曲のスネアドラムパートはかなりの修行です。

 そのほか、表拍を感じながら裏拍にアクセントを入れる音楽に「ジャズ」があります。表拍を感じられていない状態で裏だけアクセントを入れ、不安定なリズム感のままジャズを長年演奏している人が、実は日本にはかなりいます。個人的には、スウィングのビートは表拍を感じる事でグルーヴがどっしりとし、初めて安定した演奏が可能になると考えています
 つまり、将来スウィング・ビートのジャズ・ドラムが叩きたくなった場合、この「裏打ち」の練習が抜群に生きてきます。

 休符の話が裏打ちの練習の話になってしまいましたが、休符の練習一つがこれだけ奥深く役に立つ、という事を言いたかったためです。じっくり取り組んで頂きたいので、今回は4分休符・8分休符までにします。




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