2013年2月20日水曜日

スティックの選び方

 楽器屋さんのスティック売り場には沢山の種類があります。ドラムを始めるのはいいけど、一番最初に買う道具選びでまず迷う事になってしまいます。

 ドラムを始める方に私がまずお勧めしたいのは、軽くて細いスティックです。

 なぜなら、軽いとコントロールがし易く初心者の方向きだからです。太いのはたいがい重量があり、重いスティックはタイミングとボリュームをコントロールするのにある程度技術が必要です。例外として、大音量のロックバンドへの参加が決まっている方などは、最初から重いもので挑戦してみるのもよいでしょう。ただし、力んだ状態で太いスティックを扱うのは腕の故障の原因になるので、レッスンを受けて頂くなら早い段階で脱力についてお話しします。

 「細いスティックを買ったのになんだか重い!」というケースもあります。
 スティックはオーク(樫)製・ヒッコリー(くるみ)製・メイプル(楓)製・アオダモ製などと商品によって原料が違うので、細くても重い木でできている可能性があります。
 買ってしまってから見た目と重さのギャップに悩まないために、その場で少しでも手にとって試奏することをお勧めします。
 スティック売り場にはゴム製の練習台が必ず備えてあるので、良さそうなスティックを何組か試しに叩いてみて、一番しっくりきた製品を選びます。「しっくりくる」の基準は「叩く時にストレスを感じず、コントロールしやすそう。楽に叩ける。」としておけば間違いありません。

 買いたいスティックの種類が決まったら、次に左右のバランスを揃える事が重要です。同じ製品でも個体差がある場合があり、売り場に「はかり」がある店舗なら一本ずつ重量を測ることもできます。私が以前使っていたVic Firth社の”Peter Erskine Ride Stick”は、なんと一本あたり最大10gも違いました。

 ドラムを叩くモチベーションを上げる意味で、自分の好きなドラマーのシグネイチャー・モデルを買ってみるのもよいでしょう。有名ドラマーのモデルは比較的個性的ですが、たまたましっくりくることもあります。自分の好きなドラマーのモデルがあまりにもピッタリきた、という事が経験上何度もありました。この場合ももちろん試奏は欠かせませんが。

 これだけ慎重に選んでも、いざ買って使ってみるとしっくりこない場合があります。また、最初にしっくりきていたものがだんだん合わなくなってくる事もあります。
 
 スティックというのは、あくまで手の大きさ、指の長さ、奏法、使用目的、使用楽器とセットで機能するものなので、奏法が変わったり演奏する音楽の種類が変わったりすると当然使用スティックはどんどん変わるはずです。
 その場合はまた買いに行きましょう。いろんなスティックを選び、買い、試行錯誤する事が経験として必ず積み上がっていきます。それは現在の自分の奏法、出したい音と向き合う事でもあるからです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿